2013-02-01から1ヶ月間の記事一覧

終わりの感覚 ジュリアン・バーンズ ☆☆

歴史とは、不完全な記憶と文書の不備から生まれる確信である。 ・・・・・・・・・・・・・・・・ このくだりがすべて。けれども、作品の妙な軽さをどう扱えばいいのだろう。戸惑いを解消できぬまま、荒々しく物語が駆け抜けた。

オケ老人 荒木源 ☆

誤って入団したオケは老人だらけ!まんがを読んでいるような軽快さとキャラ立ちでした。それにしても、登場人物たちが、みなクサクサマジメ。作者の人柄なのかしら?(読書倶楽部Uさん推薦図書)

仕事日記をつけよう 海保博之 ☆

三連休!晴れのナカ日はメンテの日。仕事もあるけど、とりあえず。 ・・・・・・・・・・・・・・・・ このごろ愛用、区立図書館。新書や実用書、ふだん読まない本を手に取って、目次とゴシックフォントを拾い読み。 根っからのメモ魔だけれど、メモを読み返…

コンプライアンスが日本を潰す〜新自由主義との攻防〜 藤井聡 ☆

アメリカ・新自由主義への服従がもたらす日本崩壊のシナリオ。 ・・・・・・・・・・・・・・・・ 建築が大量生産品ではない以上、市場の競争原理に価格の適正化を期待するのは乱暴だ。著者は、建設業における談合は日本社会全体にとっての必要悪、いや悪で…

錬金術師通り 五つの都市をめぐる短篇集 池内紀 ☆☆

東欧の街に穿たれた無数の孔。埋め込まれた記憶が、幻想が、ひとつふたつと照らしだされる。 ・・・・・・・・・・・・・・・・ 身体から遊離した微睡(まどろみ)の感覚。塊となる灰色の雲のもと、石畳におちる影を踏み、「東洋のプロフェッサー」は人々を…

崩壊 オラシオ・カステジャーノ・モヤ ☆☆☆

中米が熱い。「魔術的リアリズム」の風が止んだ南米を出て、社会情勢の混沌たる現在の中米に至った。事実は小説よりの奇なり。小説として、加速する事実の嵐。 ・・・・・・・・・・・・・・・・ 小説体に息切れし、書簡のスタイルで入り込み、語りで再び距…

宗教はなぜ必要なのか 島田裕巳 集英社インターナショナル ☆

神道・仏教、新渡戸稲造「武士道」にみる日本人のモラル、村落共同体と二宮尊徳「報徳思想」、そして神の代替としての究極の親、祖先。とりかかりやすい入門書。 ・・・・・・・・・・・・・・・・ 「あなた、宗教は?」おなじみの質問だ。「はっきりしない…

14歳からの社会学 宮台真司 ちくま文庫 ☆

「みんな」という社会の共通前提の消滅に始まり、個々人が、他者からの「承認」も「尊厳」も得られず、「自由」に試行錯誤できない現実。実に正しい。だから良薬、とは限らない。本書の意図に反し、14歳が考えることを諦めないことを願い、池田晶子さんの…