2012-09-01から1ヶ月間の記事一覧

デンマークのにぎやかな公共図書館

もっとも成熟した図書館制度をもつ国、デンマーク。「平等」「セルフヘルプ」という社会理念が、図書館の在り方にも通底している。 本を読み比べる限りでは、先のスウェーデンの図書館との決定的な違いは見受けられなかった。印象的なのは、両者がマイノリテ…

読書を支えるスウェーデンの公共図書館 

19世紀後半から20世紀初頭、民衆による社会改良運動の中で生まれたスウェーデンの図書館。多民族国家となった現在は(移民等スウェーデン人以外の国民が約2割を占める)、「自分の言葉を持つ」権利を保障するシステムでもある。図書館を取り巻く問題は多岐…

がんばりません 佐野洋子 ☆☆☆☆

ちょっと卑屈な自分を笑っちゃう、この小気味よさ! 「本好き女の離婚確率」なんてのもあるけれど、いまじゃあ「本好き女の孤独確実」なわけ。「ふとんを生涯の伴侶」にわたしも、ときどきわめいたって、まるまってたって、いいじゃない。

東東京 雰囲気の建築

ドイツ、韓国からの客人があり、普段は足を踏み入れない東東京に通いました。 ◆両国 国技館 9/17 江戸時代の大衆文化、非日常性を演出するのに過剰な設えは不要だと知りました。ここでは、入口を入ってせいぜい垂木を思わせる天井が浮いていたくらい、十分で…

生きるための建築展 @東京都美術館

◆二週連続の上野 先週はマグロ丼、今週は伊勢ろくの親子丼。武田百合子のエッセイをおもいながら秋の上野を歩く。独特の雰囲気がたまらない。◆生きるための建築展 ドイツからの友人、アーキテクトと鑑賞。彼女は昨日「塔の家」を訪れたという。今も昔も本質…

ベルリン国立美術館展 @国立西洋美術館

エクリュの体温、ライムストーンのいだく時間―私の出会ったフェルメール『真珠の首飾りの少女』。私はその、穏やかに自身として在る壁を、ただ見つめるのみでした。心優しき部屋の主に挨拶をすることすらせずに。 ◆ベルリン国立美術館展 会期終了間際の日曜…

こどもたちが学校をつくる Peter Huebner

ゲルゼンキルヘン・ビスマルク総合学校ができるまでのドキュメント。生徒参加を超え、生徒主体で学校がつくられました。かつて炭鉱の町として栄えたルール地方のこの学校では、プロテスタント教会の私立でありながら、イスラム教の生徒(トルコ系住民)が3…

やればできる学校革命 武藤義男・井田勝興・長澤悟

福島県三春町。1980年代から十数年にわたる、町の教育・学校づくり。教育者と設計者による記録、文中に挿入された生徒や保護者の手紙など、「学校」という社会を複眼的にとらえるヒントとなる。 「子どもとしての生き方に怠惰」になっている、という武藤氏の…

独立国家のつくりかた 坂口恭平 講談社現代新書 ☆☆

味見 出来合いのケチャップにソースと醤油をぶちまけたよう。表現といい、書く姿勢といい、非常にマズイ。が、ともかく騙されたと思って食べてみた。味はさておき、「独立国家」をつくってしまう行動力には舌を巻く。それは既存の常識社会にうまくパラサイト…

夏休みは終わりです!yoku yomuも新学期

なんとなく心落ち着かず、さぼり気味でしたyoku yomu。新学期、着工、友人の渡欧、夏の終わりを告げる雨。これだけ揃えば、そろそろ私も始動しなくてはなりません。本気で考えなきゃならないことは山積しているけれど、まずは古巣のyoku yomuから再活動。

鈍感力 渡辺淳一 ☆☆

今更よんだ「鈍感力」。わたくし個人にもっともかけた能力がまさしくこれなのは重々承知であって、できることならとっくに身につけているわけだし、本に処方を求めたわけではないが、それにしても鈍感力万歳をしているだけであまり役には立たない一冊。悲劇…

ひとり日和 青山七恵 ☆☆☆

好感のもてる素直な小説。単純ではなくとらえやすくもない二十歳の主人公の視線に、思わず自分のそれを重ねてしまう。 それにしても本屋に平積みにされた文庫をみると、ほんと「ひとり」だらけの日本なんだな。私は、梶井が檸檬を置いた、あのころの本屋にい…

土地と日本人 司馬遼太郎(対談集)☆☆☆(まだ読んでいる途中…)

学生のころちょっとヤクザな恩師に言われたのは「100マンあったら土地をかっておけ」。かかりつけの漢方医にいわれたのは私は「土地」業?に縁があるらしく(この放浪癖からして全くそうとは思えない)、今、父に私が言うのは「家もいいけどまずは土地」…