2012-02-01から1ヶ月間の記事一覧

ジャージの2人 長嶋有 ☆☆☆

うちの親子みたい。霧島に籠る、元カメラマンの父と、脱サラ気分?の娘(長男役)。昼からワインと暖炉の生活、変な虫はでませんが鹿がお花を食べちゃいます。はやく山にまた籠りたい!ちなみに、ジャージはきていません。小気味よくて面白かったです。

悠久の光彩 東洋陶磁の美 @サントリー美術館 ☆☆☆☆

三彩貼花宝相華文壺 7-8C 美しい、とはしらなかった 青磁管耳壺 13C たぶんこれが一番私の部屋に似合うかな 月日釉碗 11-12C 音叉の響き 木葉天目茶碗 12C 前田家旧蔵だったか、納得 油滴天目茶碗 12-13C 放ちつつ吸いこむ宇宙 五彩牡丹文盤 16C シャガール…

日日雑記 武田百合子 ☆☆☆☆

我があるようで さしてない 欲ぶかいようで さほどない 武田百合子、いいなあ 大岡昇平や飼猫への追悼、ぐっときた

フリーダ・カーロ 引き裂かれた自画像 堀尾真紀子 ☆☆

フリーダ・カーロ。大学生の時、映画で知った。鑑賞者を不安にさせる、強烈な深淵。 わたしたちの詮索は、多分に強引で残酷だ。作家論を読み、あるいは裁判の報道などを聞く度、思う。物語のフレームに入れることで、他者を手中におさめようとする所有欲が見…

着信あり

めずらしい 定時をすぎた携帯に着信2件 一通目 矢鱈長い なにやら福岡の遅い春について書いている 二通目 写真一枚 祖父の遺影にブーゲンビリアを供えたらしい 三日前、私は手紙を書いたのだった 幼いころからの習慣だけれども今回は下心あり 知ってか知ら…

象と耳飾り 恩田陸 ☆☆☆

往復書簡、という作品名が目にに飛び込みました。続いて給水塔、曜変天目。私のために用意されたかのような言葉の並びで、本書を手にとりました。よい天気です。今から、野方給水塔にお散歩でもいこうかな。幽霊スポットの哲学堂もいいかもしれない。名前と…

郵便受け

もうへとへと 郵便受けをのぞきこむ 暗闇に吸い込まれそう 仕草の無用はしっている でも儀式だから仕方ない 心底へとへと 手書きでかかれた封筒がはいっていたなら 風薫る旅先からの葉書がはいっていたなら せめてダイレクトメールでも へとへとなのだ おか…

風に吹かれて 五木寛之 ☆☆☆☆

プロはプロ、やはり上手い。ただ、徐々にその上手さ、五木節に疲れてしまった。最終的に印象に残る作品は案外少なく、この本を読むきっかけになった「横田瑞穂先生のこと」が一番の良作か。早稲田という舞台も共感する理由だろう。金沢での一場面を描いた「…

遊覧日記 武田百合子 ☆☆☆

Hは、母Nと小旅行をしながら読んでいます。母のエッセイに登場する様々な人物や自分。解剖されるような距離には、安っぽい感傷は微塵もなく、残酷で絶妙でもあります。 この上なく気まぐれで、その上精神的にマイッているHは、電車にのっても寝てばかり。…

ドイツ語映画

みな口をそろえていいますね。フランス語は美しい、ドイツ語は汚い。英語を専門にしていた祖父は「馬の言葉」といって嫌っていました。緊張感だけではなく、優しく深い響きもないでしょうか。この土日にみた映画は偶然、共にドイツ語でした。その音から離れ…

遍路みち 津村節子 ☆☆☆☆

歳を重ねたひとのテクストには、含蓄や枯淡があり、ときに癖もある。プロの作品、素人の習作の別はない。読むたび、己の薄さに嫌気がして、何かを書ける気がしない。それなのに、いつのまにか再び、文字に埋もれて雑文を書いている。 またしても、歳に見合わ…

ふときづいて

乱読気味なのは休日出勤が禁じられたせい 平日はへとへとの放心状態で 同期は私に声をかけるのすら躊躇うらしい 乱読に比して、ひとりでの暴飲暴食が増えた ワインは飲みすぎるので好きでもないウイスキーをのむ 煙草をやっていないのがせめてもの救いか 母…

別冊太陽 南方熊楠 ☆☆☆

つくづく、ミーハーな読者向けの雑誌である。 土門拳、内田百輭、いままで何冊かっただろう。 いろいろな人がいる(いた)、日本も捨てたもんではない。

第20回 yoku aruku

かながわ彷徨、第3編を更新。感傷的にすぎるのでそろそろ、「もっと歩かねば」と思うのですが、しばし寒空の心象にお付き合いください。

気まずい二人 三谷幸喜 ☆☆☆

企画勝ちです、おもしろい。 間合い―きれいな和語ですが、うまくゆかないものですよね。たいがいは間抜けの間、に終わってしまう。 ラジオ深夜便を夜ごときいては、感心しています。