1年半も更新していなかったのですね。ブログが消滅していなかったことに驚きました。この間、生活がすっかり変わり、これからも変わり続ける模様。身の丈の文章をときおり更新していきたいと思います。
アンパンマン(古谷さん)のポケット(ってドラえもんじゃないんだけど)を見せてもらえる読みやすい一冊。学部一年時のレクチャーがよみがえる。 早稲田では教授をさん付けで呼ぶ。石山さん、入江さん、しかり。本書では古谷研の面々がカタカナで登場。ひとの呼…
教科書のような一面的な擁護や非難はたやすい。一行から削ぎ落とされる多面的な現実には、計り知れない物語の連鎖がある。現実のままを伝えんとする著者の姿勢がストレートにわかる一冊。「現場を背負う責任」のひとことに集約される覚悟が凄まじい。「物乞…
「女性と建築」をテーマに、大学で表現におけるマイノリティの研究にとりくんだ。成人白人男性か否か、欧米/日本、作家/職人という二極に図式化するのは容易だが、修士論文では、大正時代の女性と建築の数奇な結節点を描いた。(主婦という新階層、カリスマ…
伝説のフラメンコ・ダンサー、カルメン・アマジャ生誕100年を記念して制作されたドキュメンタリー。(母も私も彼女を知りませんでした。)彼女を大叔母に持つカリメを中心に、歌い手、ギター弾き、そしてカリメの母がステージをつくる。響きあう彼らの魂。(…
故郷の山、客人が溢れる家の風景、人々に這いいる脅威と恐怖、無力と矛盾の国がある。弟や親友と喧嘩をし、背が伸びてもっといいスピーチがしたいと願う。ひとりの少女の眼をかり、自らの心でみる。宗教や国のいかんを問わず全ての隣人へ深い感謝を持てます…
就活、婚活、保活からみる社会論―バブル以前/以降の「世代間断層」。アベノミクスは、高度経済成長時代を忘れられない世代のための「夢よ、もう一度」にほかならない。まったく同感です。 いち女性ワーカー、いち土建屋として、昨今の潜在的な女性労働力、…
「使う陶」から「観る陶」へ、そして「詠む陶」へ 言葉に苦しむ、久々の展覧会。具象的で抽象的。端正でおおらかでもある。単体の力強さと、並んで立つ像の均衡。赤土の粒子はあたたかい触感を、白磁をなめる光は透き通った味覚を伝える。徐々に、題を見ずし…
こどもたちの夏休みは忙しい。読書感想文、自主研究、お絵かきの宿題に美術鑑賞の感想文。小中学生を見据えた本展覧会は、決して子供向けではないものの、作品の寄集め感がある。私が子供だったら感想文のネタには選ばないな。葉山館の良さである、展示室に…
母とスペインでフラメンコをみてから8年がたちました。今回はお祝いごとのため(辛気臭い日にしたくなかったので)新宿で母と鑑賞。実力者が揃ったショーに恵まれ、力強さ、技術の高さ、すべてにのまれました。背筋から指先まで緊張をみなぎらせたバイレ。…
週末、久々に恵比寿ガーデンプレイスに出向いた。爽やかな夕暮れの風に吹かれ、テラスでビールを楽しむ人が目立つ。開放的で賑やかな雰囲気を抜けると、佐藤時啓の異様な世界観が際立っていた。代表作<光―呼吸>は、佐藤が無人の街や建築に光をかざし、フィ…
現実と夢、現在と過去を縦断する不思議な物語3編。「夢見る人びと」と「詩人」の謎めいた女は、「百年の孤独」のレメディオスの昇天を彷彿とさせる。とはいえマルケスやリョサのラテン文学とはまた異なる魅惑的な違和感を秘めている。ゴシックといわれると…
自然に恵まれた(自然しかない)高知を観光地に!県庁「おもてなし課」のラブコメありの奮闘劇。高知を旅行した気分になりました。ざくざくと読み進められるけれど、ライトノベルはやはり苦手。 (角川文庫/読書倶楽部/1408??読了)
俗すぎて笑いがとまらない。たいのおかしら(さくらももこ)以来かな。鎌倉から新橋までの50分、諦めていつも通り寝よう。笑うアホづら、眠りほうけるマヌケづら。衆目にさらすみっともなさは大差ない。(文春文庫/140802読了/読書倶楽部)
残るでも、響くでもない、心に迫る言葉である。自ら正しいと考えるものを信じて行動することは、正しい。でも自らの正しさを他人に押し付けたり、求めたりしてはいけない。判っているはずの教えがいかに難しいことか。いまの私がパウロの言葉に再び出会えた…
表題にある「建築家」の表現に違和感がある。シャローの集大成は(幸運にも)「ガラスの家」という建築のかたちをとっただけであり、そこに至る試行と思考を辿ることに展覧会の意味がある。ガラスの家(1927−31)のガラスブロック積。昼は内、夜は外の幻想的な…
なぜ前向きな気持ちのあとには虚無感がやってくるのだろう。シャローのメモはネガティブにものとなってしまった。TYINの展覧会はつくることをふたたび信じる勇気をくれる。少し疑念をはさんでしまうのは嫉妬のためだろう。建築をつくるというより、風景をつ…
「謎はすべて解けた」と決めの台詞が頼もしい著者は国交省出身の土木マン。家康が読み込み、整備した江戸の地勢、エネルギー(木材)システム、はたまた日本を出てピラミッドまで。土木マンらしい歴史に対する身体感覚はさすがである。なかでも水道史にみる…
歴代総理史を通して現代史をみる。たいへんわかりやすい。(2014/ポプラ新書/6月読了)
1995年、アンネの足跡と友人たちをたずね、小川洋子はオランダ、ドイツ、そしてポーランドへ発つ。「古い友人」のようだというアンネと彼女とは、書くことへの思いで結ばれている。ひとの身体、時間、想いは、無残に解体され、無機的なパーツとして集積され…
月光密売人、警鐘人…集って茶会でもしてみたいものですね。あ、でもみなさん、ほうぼう、おいそがしそうで。え、わたくし?えぇ、光蒐集士というもの、えぇ、修行中の身ですけれど。 (読書倶楽部/140529読了)
本当の貧しさをわたしたちは知らない。清貧とは違う、根本的な腐敗。(2007/新潮社,140523読了)曽野綾子講演会 【想起、理想】その晩本書を貪ったのは講演会に感化されたからだった。テーマは「世界の中の日本」。ミッションスクール時代に戻った感覚で、忘…
素性の知れない者たちが満月の夜に集う。何を願うでもなく何を裁くでもなく、ただ現実とも虚ろともわからない話を綴る。作者が見知った世界がひとつひとつの物語になっている。報われない人生の笑顔も、不条理にある一種の陶酔も、事実であろうとなかろうと…
内田百輭とも森茉莉とも違い、ちっとも面白くないのはなぜかしらん。芯からにじみ出る食世界観を求めるのは無謀だとしても、文章に媚や嫌味があるわけでもないのに苛立ちを繰り返し覚える。やや自己満足げな雰囲気、有閑マダムの同意を得そうなあたりが癇に…
夢を描きたいという欲望。過去の人物への憧憬であり、時とタブッキによる残酷な審判でもある。□140505
砂漠の戦い/ホセ・エミリオ・パチェーコ/メキシコ□140424 小犬たち/マリオ・バルガス=リョサ/ペルー□140425<少年時代> 少年期から青年期をたどる短篇2作。メキシコの少年は友人の美しい母親に心を奪われ、ペルーの少年は性器を失くす。喪失はそれそのもの…
一人称の言葉は時間や場所を行きつ戻りつし、語りかける言葉もまた理に則った現実を保証はしない。(純な魂、アウラ)ゴシック的な閉じた世界、古代が現代に潜む様が、不気味に肌にはりつく。(純な魂、女王人形/チャック・モール)備忘:生死、美醜、老婆と…
設計ガイドつくって満足、人工を工面して満足。共有されず、新陳代謝のない仕組み、ここにもあります。□140420読了/角川書店
新カテゴリー「AFRICA」衝撃の登場。ラテンアメリカが洗練されすぎていると感じるほど。書店で偶然手にとり、一気に読み終えました。アフリカの作品、ぜひおすすめを教えてください。お話:死んだ「やし酒つくり」を探して森から森へ、そして「死者の町」へ…
【図書館】(予定) ・飯能市立図書館(ついでにハイキングもしたい) ・北区立中央図書館(桜は逃しましたが飛鳥山へ) ・新宿区立中央図書館(移転先は何と母校の真横) ・武雄市図書館(GW前半、九州へ帰省します!) ・桑名市立中央図書館(多度神社の…