2013-12-01から1ヶ月間の記事一覧

selbstgespraech DEC

ほんとにほんとにそろそろ総決算 冬至のころ、毎年のなやみ 何を読んで「歳」を越そう? まずは積み残しの読書メモ、その整理から

パンツの面目 ふんどしの沽券 米原万理 ☆☆

傘をさす雨ふりの朝、月に一度のものがくる朝、寒くて着ぶくれをする朝。技術が発達しても日常生活は案外、原始的なままだと感じることがあります。 何の疑いもなく身に着けるパンツ、ふんどしは、まさに原始的で永遠の関心事。体に一番距離の近いものである…

ライカでグッドバイ―カメラマン沢田教一が撃たれた日 青木冨貴子 ☆☆☆ 

沢田教一を終いには銃弾へと導いたもの。それは大仰な使命感でも明確な目的意識でもなく、抗えない引力でした。物語は自らつむぐらものではない。はじめに定まっていて、そして後から見出されるもののようです。彼をはじめ、ジャーナリストやカメラマンが大…

人生ベストテン 角田光代 ☆☆☆

「登場人物たちと同じ行く当てのなさを僕自身も抱え込んでいる」。帯にかかれたイッセー尾形の言葉はそのまま私に通じた。角田光代の小説の心地よさはある種の連帯感だ。現代的、都会的で、希薄な人間関係とおきざりの内面。日常のちょっとした突起物にはじ…