パンツの面目 ふんどしの沽券 米原万理 ☆☆

傘をさす雨ふりの朝、月に一度のものがくる朝、寒くて着ぶくれをする朝。技術が発達しても日常生活は案外、原始的なままだと感じることがあります。
何の疑いもなく身に着けるパンツ、ふんどしは、まさに原始的で永遠の関心事。体に一番距離の近いものであるだけに、社会背景と慣習が色濃く染みついています。
共産圏で育った作者ならではの(わたしにとっては)新鮮な視座と素朴な言葉、小切れ良いウィット。期待以上の読み応えがありました。(読書クラブ推薦図書)