2011-09-01から1ヶ月間の記事一覧

知識人99人の死に方 荒俣宏(監修) ☆

夏の終わり、あらゆる虫たちの死が路上に播かれていた。機械のような腹をみせる蝉、硬い羽をもがれた黄金虫。カマキリは踏みつけられ、美しかったはずの蝶の羽はあばら骨を連想させる。その姿は、ひと夏を駆け抜けた魂の抜け殻と呼ぶに相応しい。「死にざま…

「想定外」の罠 大地震と原発 柳田邦男 ☆☆☆ 

「想定外」は免罪符ではない。この欺瞞にあふれた思考停止状態には現実主義やご都合主義、専門家の傲り、あらゆる言い訳が燻る。天災も、それに続く人災も、実はそういった人間の性質に起因するところが多い。肝心なのは案外、想像力を伴った身体感覚、なの…

第4回 yoku aruku

ひとまず、三日坊主にはならずに済みました。若干ビハですが第4回のyoku arukuをお届けします。今回は秋風美しい軽井沢から。 一気に書き上げたのはお酒と食の励ましによるものか、軽井沢で束の間のセレブ気分を得たためか?酔っ払ってて誤字脱字が多そうで…

崩れ 幸田文 ☆☆☆

72歳の幸田文が全国各地の「崩れ」を自ら歩き、見て、書く。普通なら圧倒されて終わってしまいそうな光景だろうに、生きている自然の営みから、ひとの内奥にある「物の種」まで、どこまでも描写と語りが続く。「季節のかたみ」の印象が強かっただけに、新鮮…

そら頭はでかいです、… 川上未映子 ☆

ごめんなさい。この本、珍しく途中棄権しました。 日常の中に気づきをくれる寺田寅彦が好きです、 文句と食べることばかりの内田百輭が好きです、 女性だったらかっこよすぎるサガンが好きです。 エッセイ、お気に入りリストは簡単には増えないみたい。

人生がときめく片づけの魔法 近藤麻里恵 ☆

「触った瞬間に「ときめき」を感じるか」がものを捨てるか否かの基準だそうだ。片づけとは「モノを通して自分を対話する作業」ともいう。片づけに美学と哲学があるとは思いませんでした。 - いわゆる実用書の類、めったに手にしません。読んだとしてもyoku y…

教育とは何か 大田堯 ☆☆☆

大田先生は人間を「分別」する存在だと位置づける。生涯にわたって選択をし続けるがゆえに、可能性は無限であり、同時に孤独へのベクトルを持っている。そのような「個」を超えた「種」の観点から教育が真正面から語られた一冊。 - どういうわけか人生論だと…

第4回 yoku aruku 予告

早くも路頭に迷いかねないyoku aruku。文字通りですから仕方ないのかもしれません。せっかく迷うなら前向きに。yoku yomuはすっかり定着しましたが、yoku arukuもまずはもういっかい、と回を重ねることが重要。(ムジールのエッセイズム的に、かな)気長にお…

第3回 yoku aruku

勉強の秋にふさわしい、まじめな一本を掲載しました。率直なおもいを書いています。少し恥ずかしいくらいでいよいのです。いつか振り返るときの起点になるから。

家の外の都市の中の家 展覧会備忘録

第12回ヴェネチアビエンナーレ 国際建築展帰国展 @東京オペラシティアートギャラリー0展覧会全般 展示の美しさはさすが。しかし建築家たちの視点は、私が建築を学びはじめた10年前(前世紀!)と変わっていないようでした。これほど国際情勢が変わり、日…