2014-05-01から1ヶ月間の記事一覧

じつは、わたくしこういうものです クラフト・エヴィング商会(吉田浩美+吉田篤弘)☆☆☆

月光密売人、警鐘人…集って茶会でもしてみたいものですね。あ、でもみなさん、ほうぼう、おいそがしそうで。え、わたくし?えぇ、光蒐集士というもの、えぇ、修行中の身ですけれど。 (読書倶楽部/140529読了)

貧困の光景 曽野綾子 ☆☆☆

本当の貧しさをわたしたちは知らない。清貧とは違う、根本的な腐敗。(2007/新潮社,140523読了)曽野綾子講演会 【想起、理想】その晩本書を貪ったのは講演会に感化されたからだった。テーマは「世界の中の日本」。ミッションスクール時代に戻った感覚で、忘…

観月観世 或る世紀末の物語 曽野綾子 ☆☆☆

素性の知れない者たちが満月の夜に集う。何を願うでもなく何を裁くでもなく、ただ現実とも虚ろともわからない話を綴る。作者が見知った世界がひとつひとつの物語になっている。報われない人生の笑顔も、不条理にある一種の陶酔も、事実であろうとなかろうと…

買えない味 平松洋子 ☆

内田百輭とも森茉莉とも違い、ちっとも面白くないのはなぜかしらん。芯からにじみ出る食世界観を求めるのは無謀だとしても、文章に媚や嫌味があるわけでもないのに苛立ちを繰り返し覚える。やや自己満足げな雰囲気、有閑マダムの同意を得そうなあたりが癇に…

夢のなかの夢 タブッキ ☆☆☆☆ 

夢を描きたいという欲望。過去の人物への憧憬であり、時とタブッキによる残酷な審判でもある。□140505

ラテンアメリカ五人集 (集英社文庫)

砂漠の戦い/ホセ・エミリオ・パチェーコ/メキシコ□140424 小犬たち/マリオ・バルガス=リョサ/ペルー□140425<少年時代> 少年期から青年期をたどる短篇2作。メキシコの少年は友人の美しい母親に心を奪われ、ペルーの少年は性器を失くす。喪失はそれそのもの…