EDUCATION

弱さの思想〜たそがれを抱きしめる(辻信一+高橋源一郎、大月書店)

「女性と建築」をテーマに、大学で表現におけるマイノリティの研究にとりくんだ。成人白人男性か否か、欧米/日本、作家/職人という二極に図式化するのは容易だが、修士論文では、大正時代の女性と建築の数奇な結節点を描いた。(主婦という新階層、カリスマ…

わたしはマララ マララ・ユスフザイ ☆☆☆☆☆

故郷の山、客人が溢れる家の風景、人々に這いいる脅威と恐怖、無力と矛盾の国がある。弟や親友と喧嘩をし、背が伸びてもっといいスピーチがしたいと願う。ひとりの少女の眼をかり、自らの心でみる。宗教や国のいかんを問わず全ての隣人へ深い感謝を持てます…

不揃いの木を組む 小川三夫 ☆☆☆

「不揃いが総持ちで支え合う」からこそ、逞しくなる。塔も、組織も。そして「ヌスミとスベリ」、つまりは気の利いた余裕が要るのもまた、木も人間同士もおなじ。

棟梁 技を伝え、人を育てる 小川三夫 ☆☆☆

西岡常一棟梁に学び、鵤工舎で「ひと」と「もの」をつくってきた小川三夫棟梁。組織論、ものづくり論であり、伝統と創出へ手向けた言葉でもある。あらゆる世代と立場の読者を奮い立たせる語り。 時間について 「長い仕事は人を作るよ。/時間の重さに負けな…

GANTZ SUPER!

wow!とほんとに口に出してびっくり嬉しかったのは今年はじめてか。うん、ぜったいそうだ。嬉しくて書き留めました。まさか、ダメモトで出したメール、ドイツから返信が来るとは。Afterwards 12月1日 仙台へ。吹雪く福島を北上、宮城に入りパッと晴れ渡る空…

図書及び図書館史 ☆☆☆

堅苦しいタイトル。それもそのはず、司書課程の教科書だそうです。西洋・中国・日本、古代から現代まで、図書館史を幅広くカバーしています。 とくに中国史は圧巻。中国の古代からの強硬体質、中央集権制に目を見張りました。システムは高度に組織化され、事…

あらためて教養とは 村上陽一郎 新潮文庫 ☆☆☆

祖父は英文学の学者だった。大学在籍中は戦時下で、英文学科に前後して哲学科も出たはずだから、私と同じ歳のころ、28ではまだ駆け出しの教師だったと思う。 声楽家顔負けの美声を、しっかりとした骨に響かせる。聞きなれたアメリカ英語とは異質のイギリス…

デンマークのにぎやかな公共図書館

もっとも成熟した図書館制度をもつ国、デンマーク。「平等」「セルフヘルプ」という社会理念が、図書館の在り方にも通底している。 本を読み比べる限りでは、先のスウェーデンの図書館との決定的な違いは見受けられなかった。印象的なのは、両者がマイノリテ…

読書を支えるスウェーデンの公共図書館 

19世紀後半から20世紀初頭、民衆による社会改良運動の中で生まれたスウェーデンの図書館。多民族国家となった現在は(移民等スウェーデン人以外の国民が約2割を占める)、「自分の言葉を持つ」権利を保障するシステムでもある。図書館を取り巻く問題は多岐…