デンマークのにぎやかな公共図書館

もっとも成熟した図書館制度をもつ国、デンマーク。「平等」「セルフヘルプ」という社会理念が、図書館の在り方にも通底している。
本を読み比べる限りでは、先のスウェーデンの図書館との決定的な違いは見受けられなかった。印象的なのは、両者がマイノリティ問題を図書館の最重要課題のひとつに明確に据えている点だ。人道的助成というよりも国家戦略である。翻って日本は、東京はどうか。自国のマイノリティ事情に疎いことに気付き愕然とする。

住民基本台帳の取りまとめ(H24年9/1付)では、東京区部は人口約890万、うち外国籍居住者は約32万。「移民」統計ではないので単純比較はできないが、移民が2割超の北欧とは桁違いの低い「多文化」状態であることは確か。因みにベルリン市は人口340万、トルコ系を中心とする移民系ドイツ人が27%、外国籍が13%。