地下室の手記 ドストエフスキー ☆☆☆☆

いや、それより…というのも…そこで…とにかく…だとしたら…もし…なるほど…だが…ところが…あるいは…だいたい…しかし

地下室の逡巡はつづく。「意識は病気である」。ひとたびその病に罹ると(本当は誰もが罹っているのだ)、かようになるのだ。「ドストエフスキーの全作品を解く鍵」(ジッド)をまず先に手にし、ここから深く長い地下室のつづきをゆく。

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すくなくとも、この物語を書いている間じゅう、ぼくは恥ずかしくてならなかった。してみれば、これは文学どころか、懲役刑みたいなものだったわけだ。(新潮文庫江川卓訳版より)