春宵十話(ほか) 岡潔 ☆☆☆☆

およそふた種類の人間がいるらしい。教育者と実業家。ともに確かな眼と判断力をもつ。違いはその先、ただ一点だ。だがその一点が実に正反対なのである。
ひとをつくるひとのいうことには「真我になってこそ、人々は心が一つに溶け合うことが可能なのです」、くわえていわく「私は世の中に警告してきました」
ひとをつかうひとのいうことには「大我は大我であってよろしい、小我は小我なりに生かしていく」、くわえていわく「私はすべてを肯定するのです」
岡潔松下幸之助の対談より。