2014-04-10から1日間の記事一覧

犬の婿入り 多和田葉子 ☆☆☆

ペルソナ ☆☆☆☆ 自分の過去と重なるところが多すぎたとはいえ、軸のある良質な小品であることには間違いない。 子供たちから向けられた悪意の眼差し、残忍さを湛えた薄い唇から発せられる慇懃な言葉。不気味な部位がキメラとなり、虚ろな時間の奥に潜む。70…

○に近い△を生きる 鎌田實 ポプラ新書 2013 ☆☆

十年後は見えない。建築の未来も、目の前の施主に差し出すかたちも見えない。○を目指すはずが焦りに終わる。 ・△を生きることは新しい知恵ではない。土と火から器をつくり、季節を食に再現する田舎暮らしも△のバランスにあるし、戦後、模索と失敗を重ねた祖…