色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年 村上春樹  ☆☆

時間と場所。断たれつながり、遡り、また流れる。


短い小説ではありますが、たたまれた時間と場所に身を委ねて読めました。
予想通り、登場人物の自意識に毎度の疲れを感じますが、今回は主人公に若干の共感―年齢や「つくる」ことへの体質―はあったかもしれません。
残念なのは、相変わらずの村上モチーフの反復。あるいは、原風景の反芻、と表現を変えれば聞こえはよいのでしょうが。

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04/12
村上春樹の3年ぶりの長編小説『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』(文芸春秋)を通勤途中に購入。かれのスケッチのようなエッセイが小説より好きなのですが、さて今回はどんな作品でしょう。いくつか読みかけの本、一時中断。