TPP入門 日本経済新聞社

野田政権時代の解説本。少々古いのですが入門にはうってけでした。PRO/CONがまとまっています。

グローバル化による、あらゆる側面の勝敗。国民をまもってきたネイションは解体し、世界を舞台に個人戦がはじまっています。
国家としての旧態からの脱却できず、国家としての勝気のかけらも残っていないこの国で、TPPへの反対と不安の声が依然つよいのも当然です。(世論調査では賛成派が多数のようです。反対はJAのキャンペーンですね。)不安を煽る論調には感心しませんが、活発な議論は望ましいと思います。3.11が露呈したエネルギーや防災の問題により、個々人の営みから国の運営までが、ようやく、ひとつづきでみえるようになってきた、ということではないでしょうか。そしてオリンピック開催決定で強気になれるかどうか。

明日はTPP・FTA、Abe's Third Arrow をテーマにディスカッションをします。

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疲弊した資本主義社会で、個々人は現状維持に甘んじようとする。次の位相に至るには、相当量のエネルギーを要する。化学反応をおさえようとするのではなく、反応を遂げられるよう触媒を投じることが政府の役割では。ただ、職、産業だけでなく、国という枠自体もすでに淘汰される段階にある。政府の触媒を安易に期待できない今、なにをよりどころにするのか。
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比較優位、国際分業の考え方は、保護政策、国の最低限の安全保障と矛盾するものかそれを超克するものか。
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多分にnaiveで個々の幸せを抜きに世界地図を見ることは難しい。仕事において身近なところから建設的でありたい。でも気軽ではない。感謝なんていらない(かわりに薄給がある)けれど責任を共有したい。たとえば施主の気軽な一言は我々の力を奪い尽くす。逆に思いつきにきこえても、彼らにとっては本気のものに違いない。きれいごとでも、建築の前提は対話。言葉を重ねても、理解を交わすのは難しい。少し疲れている。