小川洋子

カラーひよことコーヒー豆 2009 ☆☆☆
失われていたものを手に取る感触。懐かしさではなく優しさ。そよ風のような親しみで、私はすっかり好きになった。

夜明けの縁をさ迷う人々 2007 ☆☆☆
偶然の祝福 2000 ☆☆☆☆
日常の隙間にある物語。歪みも優しさも何もかも、押し付けがましさはなしに、そこにつまっている。

密やかな結晶 1994 ☆☆
ものが消えて行っても、物語は続いている。救いだろうか、哀しいことだろうか。プロットは単純ながら、物語は紙枠を越え、いくばくかの余韻を残す。

妊娠カレンダー 1994 ☆☆ 03/30追加
(妊娠カレンダー☆、ドミトリィ☆、夕暮れの給食室と雨のプール☆☆☆)
私の輪郭と外の空気が触れ、不協音がする。心の在り処が体の中でぐらぐらとする。なんの脈絡のないもの時間や場所が自然とつながることがある。違和のある調和。それが優しい言葉でつむがれる。

ミーナの行進 ☆☆☆ 04/02追加
カバのポチ子、バレーボール、図書館、そしてマッチ箱。アイテムは多すぎるものの、ぺろり、半日で読了。主人公たちの健全さが清々しい。それでいて小川洋子らしい身体感覚が色濃い作品。