2012-01-14から1日間の記事一覧

にぎやかな湾に背負われた船 小野正嗣 ☆☆

小説然とした作品。長閑な「浦」の過去ー大きな歴史と小さくとも濃い個々の時間ーが次第に暴かれ、「わたし」のいまへとつながる。現代の都会っ子には、不気味な後味が残るだろう。読み手が安易に同調できないところが、この小説を作品たらしめる。惜しむら…