2013-10-06から1日間の記事一覧

図書室の海 恩田陸 ☆☆☆

はじめて恩田陸を読みました。良質な掌編集。懐かしさと不気味さが表裏一体です。「イサオ・オサリヴァンを捜して」はリョサの語りに通じるかもしれません。ぐいぐいと読み進める感覚を楽しみました。

終の住処 磯崎 憲一郎 ☆☆

思わせぶりな語りのリズム、旋律、響きと収束。それらをなめることはできたけれど、内奥になにかを見出すことはできませんでした。

死に急ぐ鯨たち/方舟さくら丸 安部公房 ☆☆☆

見えない毒に侵されながら「おもてなし」をする国。この異様な終末を正鵠に射ていた。今、ぜひ読みたい安部公房の小説、評論。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・明日は今日のようにやってくる。逃れられない危機の存在を知っていても、…