文化

日本辺境論 内田樹 ☆☆☆ ズルイ論、いや論ではない

丸山眞男のいうところの「きょろきょろ」している日本人。なにをやっても思っても、結局はこの「辺境論」に収斂してしまうのだから、なんだかズルイ。ただ、それでわたしたちの多くのことが説明されてしまうのだから致し方ない。 - 海外で活躍する友人が何人…

某 ☆☆☆☆

庭。それに喚起される言葉は広い。 建築。その箱につい自らを閉じ込めがちなわたしたちを、すっと解き放つ一冊。 境界、時間、都市の余白、かたちのないもの、デザインしきれない部分、人々を引き寄せるなにか。そして束の間の純粋な気持ち。 - 久々の前向き…

読んでいない本について堂々と語る方 ピエール・バイヤール ☆☆☆

楽をしよう、という本ではありませんのであしからず。でもちょっとずるい本です。それは本の中身そのものではなく、筆者のことなのですが。 - 小説もどき、を書こうとしたことがある。あまりに押しつぶされそうな状況で、表現の捌け口が必要だったのだ。個人…

もうすぐ絶滅するという紙の書物について ウンベルト・エーコ 、ジャン=クロード・カリエール ☆☆☆☆

書物の神聖化(文化史)、メディアの耐久性(技術史)、物質的なものとしての本とそこで語られるもの・・・「書物」とはキケンすぎるテーマだ。にもかかわらずエーコとカリエールは仙人さながらに対話を繰り広げる。ちょっと足を踏み出す感じできいてみてほし…

トーキョー・ストレンジャー 姜尚中 ☆☆

記憶装置としての都市。そこに身をおきながらも、ある距離をもって都市を客観視し、自分自身をも捉え直す。そうして肥大化した自己、単純で潔癖な内向きの精神から解放されることが今の私たちには必要なのだという。 ごもっとも(で特に目新しい記述もないの…

日本の陶磁 小山富士夫 ☆☆☆

陶磁をしりたい方にはあまりおすすめしない。百聞は意見にしかず、というわけだ。 日本の諸相を垣間見たい、そんな方にはぜひよんでほしい。 見慣れすぎた日本列島も、教科書的な日本史も、眼が違えばこんなにも違う。 (2010年10月)・・・・・・・・・・・…

民藝とは何か 柳宗悦 ☆☆☆

世俗的な消費社会にどっぷり浸かった今、 自らの立ち居振る舞いをいかに選択するか?選択しうるのか?「民」芸を掲げながら、常に最上の高みにある頑な彼の立場。頭で彼の立ち位置を理解しながらも、 すでに消費社会というシャーレで生を受けた私は ざらざら…