異国を楽しむ 池内紀 ☆☆☆

他人の旅論ほどつまらぬものもないようです。それともシットかな。もちろん、旅の土産話は大歓迎。GW明け、たくさんの方から体験話と世界の味をいただいて、早くも一か月以上、経ちました。
エッセイでは、オペラや動物園のくだりが面白い。旅先で非日常と日常のバランスを絶妙にとる池内さん、さすがです。そして旅も日常も、結局は「いずれはおサラバ」。「出発には勇気が要る。旅を終えるときの勇気のほうが大切…終わりがあるのはいいことだ。」「外に流れる時間のほかに、もう一つ、自分のなかの時間がある。旅の終わりには、もっぱら自分のなかに流れている。」