2012-06-17 白洲正子自伝 ☆☆☆ 日本 エッセイ 女性 潔く、それでいて温かい。たしかにそれは薩摩隼人の血かもしれないし、これぞ白洲正子なのかもしれない。―私は幸福だった。というより、この雑木林の前に、明るく開けた野原が見えるが、そこへ行けば幸福が待ちうけているような感じがしたのである。―西国の朝は遅い。幼い日々、かおる畳の上にはねかえり、葉裏を照らす、あの夏の陽を思い出した。